◣あらすじ

現在、人間が知らないところである戦いがおこなわれている。

　街の所有権をめぐるヒラノ率いるドブネズミ軍とミー率いるカラス軍の戦いである。
状況はカラス軍がかなり有利。空を飛べるだけ、エサを手広く集めることができるのだ。
　追い詰められたネズミ軍。落ち込んでるネズミ達にヒラノは口から出まかせを言ってしまう。

「もうすぐ空を飛べる仲間がやってくるんだ！」

それを信じるネズミ達。勢いを取り戻したのだった。

その噂がカラス軍の耳に入ってしまう。まさかそんな奴はいないと思うミー。
しかし、一人の博識のカラスが言う。
「そういえば大コウモリがネズミに羽をつけたような形をしています。」
愕然とするカラス軍。何時来るかわからない大コウモリの恐怖に恐れおののく。
なぜだか上手く行ってしまうヒラノ達。が、ある日、ヒラノは思うのだった。

「もし、本当い大コウモリが来たらどうしよう？きっとドブネズミ達を奴隷にして、
街を大コウモリのものにしてしまうだろう。」
と。自分のついた嘘を真に受けてしまい、大コウモリの恐怖におののくのだった。

　そのとき、偶然、東南アジアからコツコツ貯めたお金で
日本旅行にやってくる実直な大コウモリがいた。

勘違いの末、行き着くところは？

　ネズミとカラスの争いの中から、
実態のないものに恐れおののく無意味さと可笑しさを描いてみたいと思います。